放射線に囲まれた社会生活で、ふと思う過去の1シーンPART-2 by kurota love
そんな、モテモテの彼女でよかったのです。学内で評判の美女でよかったのです。なぜなら、彼女を自分だけの彼女にしたいとか、思うような存在ではなかったのです。ただ彼女のその芸術的な容姿と長い髪の毛が、クロタの創作意欲(刺激)をかきたててくれるからでした。彼女という存在が、同じ空の下にあればいいのでした。なぜなら、なにやら関係深い女性もいたし、同棲までしているので、それ以上の仲になりたいとは、ほとんど思わなかったのです。
時々お茶したり、話しをしたりしたかったのです。不思議なもので、自分が本当に初めて恋をした女性とは、あまり関係をふかめたくないという気持ちが強かったのです。そのあたりがクロタがへんなところかもしれません(多分、人間の女性とおもいたくなかった、いつまでもかわらない永遠の美しさを保っている存在と考えたかった。)ですから、彼女がいろいろなボーイフレンドといようが、ぜんぜん気にもなりませんでした。彼女の存在があればよかったし、まして、ときどき話や、お茶までのめるし、大学での試験のときには、ノートまでかしてくれる、そんな彼女が最高でした。いつしか彼女の連絡先まで覚えてしまっていました(クロタのことは一切だんまりを決め込んでいました)。
まあ、お友達(自分の情報を一切教えないで、友達になってもらった。しかし何度も彼女からそのことで、いろいろな詮索をされたり、おこられたり、いじめられたりしました。)になってくれたのだからあたりまえですけども。笑えることもありました。大学の試験で、どうしてもノートが必要で困ったときに、しょうがなく彼女の家に電話をいれたときでした。なんとお母さんがでてきて、いつしかそのお母さんとも話をするようになってしまっていたのですね(^。^)あはははは!。どうもお母さんは、クロタのことを彼女の付き合っているボーイフレンド達と間違っているらしく、「いつも??子が、お世話になってありがとう」とかいうのですが、世話になっているのはクロタのほうなので、よく返事につまったものでした(^。^)あはははは。こんな男と付き合って間違って深い関係になったら大変なことになることも知らないお母さんには、随分悪いことをしてしまったとおもっています。やさしそうな、彼女のお母さんの声を聞くと、こころが、痛みました。そして、心のなかで決意を新たにするのでした。決して彼女に、触れないこと、友達以上の関係にならないこと、お母さんの声を聞くたびに、心に誓っていました。(今の、ワルワルナンパ学生には、こんな気持わからないでしょうね?。でもほとんどの学生は、普通の感覚の持ち主だと思っていますけど?。)
そんな、彼女がだんだん、みょうに激しく、クロタの私生活やどこに住んでいるのかとか、連絡先をおしえてとか強烈に言い始めてきたのでした。いやはや、なにかしら困った状況の匂いが感じられてきたので、距離をおくように、なるべく彼女と大学でも出くわさないようにしはじめていました。わざと避けていました。ところがついに、彼女からみつかり(捕獲された)、どうしても連絡先を教えてといわれて、足止めをされてしまったのでした(これ以上教えないのなら、友達関係をなしにするとおどされまくりました)。仕方がなく、クロタばかり彼女のおうちの電話番号まで知っているし、お母さんとも勘違いされながら話している身なので、とうとうしゃべってしまいました。そしたら、彼女が今度は、ご飯とかちゃんとたべているのとか、なにか自宅で作った家庭料理とかもっていってあげたいからとか、食品の素材を買ってもっていってなにか作ってあげるから、住所までおしえて攻撃が激しさをまして、始まってきたのでした。それは困るので、クロタは彼女に、いいました「僕は君とお話ししたりお茶をのめたらそれでいいから」と。最初、彼女に言った言葉を繰り返して聞かせていました。
君に何人友達や恋人がいてもいいから、最初の友達関係を、なんとかつづけてほしいと、嘆願?しまくりました。すべてがばれて、彼女を失いたくなかったのです。弱さですね。
そんな状態で、ある時ついに心配していたことがおきてしまいました。たまたま家にいた、同棲相手の彼女が、彼女の電話にでてしまったのでした。さすがに時々コールされて切れる電話を不信に感じていたらしく、彼女からコールサイン電話がかかってきて切れる前にでてしまったのでした。(電話は急用や緊急時以外掛けない約束(コール回数を決めていた。そのコールサインによってクロタから電話することになっていた)になっていたのに、よりによって、同棲相手が電話をとってしまい、大変な事になりました。
それ以降、クロタは同棲相手に責め立てられ、大学にいけば、彼女はそっぽをむくし、2度ととりかえしがつかない事になってしまったと思って、もうすべては自分がわるいのだから、あきらめようと決心して、音楽の制作に没頭しはじめました。そんな、彼女が大学で、クロタに見せつけるようにいいました。「今度ねサークルの人達と泊りがけで、那須高原にテニスにいくのよ」っていいました。クロタは、「そう、よかったね、たのしそうだね、いっぱい楽しんでおいでよ」といったら。「ええ、もちろんたのしんでくるわ!」と言い「彼女元気でいるのー」とか、ぐさりとささる言葉を残して、彼女はさっていきました。ああ!もう夢もおわったなと思いました。彼女と一緒の時間が、なによりの芸術的な時間でした。しばらくショックでしたが、同じ学部の女の子の知り合いがやさしくしてくれるので、試験のためのノートにはこまりませんでした。そのころ、また別の女性がクロタになにかしらPINKな淡い、パルス波を送ってくるので、さみしさも少しいやされていましたし、さほど痛みが少なかった気がしました。しかし、実際、空虚な日々がつづきました。
ただ、初めて好きになった彼女のハーフ的な容姿と美しい長い髪の毛は、脳裏からはなれませんでした。彼女の事を思うと、気が狂いそうになったときもありました。
回想 終わり。
そんな、彼女が、バス停でなんとクロタを待っていたのです。もうすっかり忘れていると思っていたのに、そんな彼女がなぜ?と思いました。クロタがバスからおりて、軽く彼女に手であいさつすると、彼女はだまってよってきました。クロタが「どうしたの、どうしてた、元気にしてた、なんでこんなところに、こんな時間にたっているの」と聞いたら、彼女はうつむいたままでした。いろいろたずねると、どうやら2日前から、クロタが講義に出席しそうな日の情報を仕入れて、その時間帯に立って、くるのを待っていたそうです。
こんなに冷える寒さの中で、クロタをまって、そしてまちぼうけをくらって、帰っていたらしい彼女の姿に、思わずなんともいえない感情が、湧きでていました。
おりしも会えたその日、いつしか、ひらひらと粉雪が舞落ちてきました。クロタは、舞落ちてくる粉雪の暗い空を、なんとなく見上げていました。彼女のあたまに、粉雪が降り積もるのを見て、はじめて、彼女の頭にふれてはらってあげました。そしてうつむいたままの彼女の肩にそっと手をおき、うながすかのように、近くの喫茶店に入りました。
そして、彼女にコーヒーとケーキをオーダーしてあげて、自分はアイスコーヒー(クロタはアイスコーヒーしかのまないのです)を注文していました。彼女が椅子に座る前に、コートを脱いでいました。その時、クロタは、はじめて彼女のあの腰ちかくまであった、あの長い髪の毛が、肩までのセミロングになっていることに気がつきました。どうして髪の毛をカットしたのと聞いたら、彼女が、小声で、いろいろなことがあったし、彼ともうまくいかなくなって別れた事、就職活動がそろそろ近いずいてきたからとか、そんな理由をクロタに話すのでした。だいたいのさっしは付きましたが、うなずいて聞いていました。その時彼女はクロタにいいました。「髪の毛、長くないときらいなの?みたくないの?私は髪の毛だけなの?」とか。クロタはいやそんなんじゃなくて、ただあのきれいなロングヘヤーがもったいない気がしただけだといいました。しかし、驚くのはクロタのほうで、こっちこそ、突然の登場に混乱していました。
結局、彼とは、クロタが原因でうまくいかなくなり、クロタのことをいろいろ責め立てられたそうです。それでついに彼女が彼をいやになって、破局したそうです。
クロタは急に彼女のこころが、実はあの頃から、友達関係では、すまなくなりそうな気配を感じとっていたので、これ以上深入りしたら大変なことになると思い(彼女のお母さんのあのやさしい声がつねに脳裏にあった)、彼女の思うようにさせてあげたつもりだったのですが、どうも逆の方向に向かってしまっていたらしいのです。彼女のうるんだ瞳から、細く流れ落ちた涙をみて、もうすべてを理解しました。もう、さすがにクロタも我慢の限界を超えてしまい、もうどうにでもなれと思い、彼女が、今のクロタのでたらめ生活も知ったうえで、流す涙ならもうそれでいいと思い、彼女をクロタの彼女にしてしまいました。
おかげで、単位がとれなくて、教授にじきじきに研究室によばれ、説教をされまくって、そして、夏休みすべてを勉強に釘付けになるほどのレポート(論文)提出をぎむずけられ、大量の本をかわされ、それをすべて読破することも求められ、泣くに泣けないすばらしい夏休みが、この後にやってきたのであった。
それからは、まるで別れがくるまで、常に影を背負いながらの時間がすぎていきました。
いい時代、いい社会で、良い思い出がつくれたので、感謝しています。この日本が、日本を大切する人々によって、再起することを願っています。そうすれば、またいろいろな人間性ゆたかな、いろいろな物語がうまれて、未来に希望がもてる、若々しいエネルギーで、みちあふれることを、こころからねがっております。
クロタの自己満足てきな恋愛ばなしで、すみませんでしたね、個人の思い出日記でした。