6月 9 2015

NEVER PART-3   by Kurota-hightpower

塹壕のような建物の影に連れ込んだ奴(反政府ゲリラ)の口から、嘘なのか真なのか信じられない言葉が発せられていた。俺は頭が混乱していたので、助かりたいためにこんな事を言うのかと、何度も自問自答しながら、聞いていた。殺すなら殺してもいい!しかし、本当に悪いのはお前たちなんだ!と奴に聞かされた。俺は、耳を疑った!しかし、なぜか奴の言う事は、死を前にしてなのか、重くこころに訴えるものがあるのだった!。

しかし、俺は気づいたときには、奴に向けて最後の銃弾を、、、、、、仕方がなかった、、こうするしか、、、。

 

戦闘も終わり、市場も燃えるだけもえたのか鎮火してゆくのがわかった。生き残った人達の中にリコにいてほしいと願いながら、ずらっと負傷して横になって、処置を受けている人達を見てまわった。子供もいた!。

リコと願いながらみると違っていた。女性を見るとリコの母親かと見ていった。しかし、どちらでもなかった。

なんで、こんなにしてまで、戦わなきゃならないんだ!子どもや女性や一般の人達になんの罪があるのだ!。戦争って一体なんなんだ!。人を殺戮してなにが変わり、誰がたすかるんだ!。助けるために殺すのか?。殺すことが人々を幸福にするのか?。敵にも味方にも人生があり、また家族だっているはずだ!

なんのために、戦うんだ!。誰のために!、神のためにか?。神は人殺しをよろこぶのか!。

一体なんなんだ!。俺はついに俺自身さえ見失うような感じになった!。

 

そこへ、よく市場に一緒に来ていた、仲間の兵隊が、そっと俺に近づいてきて言うのであった。「頼むから冷静に落ち着いてくれ、約束してくれクロタ!」と懇願するようにいいながら、そっと俺の目の前に、すすにまみれ焼けたような跡が残っている、おさげの女の子の縫いぐるみを差し出すのであった。それを見るやいなや、こ、こ、これをどこで拾った!と怒鳴るように叫んだのであった。

SC-5

仲間の兵隊は、知っているのか、気持ちはわかる落ち着け!と何度も俺に向かって諭すのであった!。

冷静でいられるわけがない!俺は叫び続けた!。彼は諦めるように縫いぐるみを俺の手に握らせると、黒く焼け焦げた、市場の方を指さして力なく肩を落として言うのであった。おそらくは、爆風で飛ばされて、燃えずにすんだのだろうと!。

 

俺は、もう気が抜けてうなだれ両膝を地面につけて、銃を投げ捨て、吹き出すような涙を地面に流していた。

なぜだ!なぜだ!なぜなんだ!。神よ!これがあなたのご加護の力なのか!。なぜ!なぜ!何故だ

ー!。

SC-6

 

気がついた時には、おれは、陣地の医療用ベットに寝かされていた。あまりのショックで気を失ってしまったらしい!。疲れもそれに加わったのだろうと、ナースが言うのが聞こえていた。

そっと、枕の横に目を向けると、あの縫いぐるみが置いてあった。またしても俺は涙で回りが霞んで見えてしまっている。声を出さずに泣いていた。